可愛くないぞ、ガッキー❗️

2018.5.26〜27

残雪期の餓鬼岳山行。以前、厳冬期に計画を立てたこともあるが休みの関係で残雪期になってしまった。今年は雪解けも早く快適かもとレイヤリングは春仕様。シュラフは当然サマーモデル。

白沢登山口という大町からすぐの標高1000m登山口。燕岳の中房や常念の一ノ沢などと比べても車でのアクセスは良い。けれど朝6時半でも駐車車両は無し。予想はしていた、登山者はいないだろうと…結局この2日間誰とも会わなかった。
7時身支度を終え白沢に沿って歩く。小屋のオープン前なので登山道の整備はまだ。橋の板も手すりも外され怖いし歩き辛い。序盤の整備前の沢沿いが核心部だと思っていたが大きな間違えだった。何度もある渡渉や鉄パイプだけの橋を慎重に進む。沢沿いは涼しくて気持ちがいい。この白沢沿いの道は増水したら通れないだろう。写真の鉄パイプ橋の一歩が遠い…。この後手すりもない鉄パイプの橋が現る。
1500mにある最終水場。ここまでは道は怖いが多少のアップダウンで難なく到着。
明日までの飲み水を確保。ザックが重くなったが、ここの沢の水はとても美味い。
展望のない2000mの大凪山山頂までは落石の多いガレ場の連続で歩き辛い。冬季残雪期と人気のない山だけあって浮石多数。落石させても誰もいないだろうが慎重に。ここまでは想定内だった。
大凪山を越えやっと山頂や小屋が見えてきた。あと600m標高上げると山頂。ここから百曲がりという場所。ここは何度もの九十九折の登りのはずであったが、夏道はほぼ無く見えるのは雪渓のみ。肩まで雪渓が続いているように見える。ここでアイゼンとピッケルを準備し残り300mを直登するしかない。午後で雪質はよくないが雪渓の切れているところを避け、雪崩を起こさないように上を見ながら進む。木の近くはぽっかりと開いていて何度か踏み抜く。いつ崩れても助かるようなルートを選び這い上がる。
ようやくガッキーの肩に到着。ここからは少しだけ雪庇のない安全な稜線上を歩く。
時間が掛かり過ぎていた。
雪質は悪くなる一方で最後の小屋へ向かう夏道トラバースを何度か試みるもズルズルと滑りデリケートな雪質でうまくいかない。一旦肩まで戻り山頂に直登する冬道を探すがハイマツの藪漕ぎに苦戦しルートが見つからない。この同じ行程を夏道冬道とも2度行い体力消耗した。
肩ではハイマツ越しに鹿島槍がよく見える。明日の朝再アタックするとして今日は肩でピバークを決める。予報では朝は北風になるらしい。ハイマツで風が防げる位置に最近のものと思えるピバーク後があり、その近くで整地したが若干の傾斜地でテント設営。テン場予定だったのでスコップ、スノーペグ無し、心配性なのでピッケルからのリーシュをシュラフに巻く。北側の稜線上でさらにハイマツの影で日も当たらず、夕方にも関わらずテント内は0度と低い。完全に甘く見ていた。寒くても着れるものがない。早々シュラフに籠って田部井政伸さんのてっぺんを読みながら就寝。
翌朝4時過ぎに日の出、太陽の暖かさで目覚める。ゆっくり食事をしてから雪が締まってるのを確認し夏道をトラバースする。餓鬼小屋まで15分とあっさりの到着。小屋からは最高のテン場が見ていた。やっぱりあそこの1番上の一番前に泊まりたい。昨日もう少し頑張ってればと悔やまれるが仕方ない。
山頂でのこの絶景を独り占め出来る幸せを実感。北アルプスの端だけあって剣岳や立山も近い。行ってみたい秘境唐沢岳も間近。昨日は燕岳にすれば良かったと何度も悔やんだが、今は独り占め出来る優越感と達成感でいっぱいになり燕岳を眺める。現金なものだ。
残すは下山のみだがこの下山が長い。
肩からの雪渓のトラバース、油断から数歩踏み出したところで転倒し滑落。身体が宙に浮きピッケルが手から離れた。10m下の細いダケカンバに手を伸ばすが手だけでは止め切れず角度が変わりさらに加速、木が真正面に迫ってくる。腹にドスン衝撃があり滑落地点から20mほど下の木にまともに腹から抱きつき滑落停止。停止直後遅れてリーシュの繋がったピッケルが頭の真横で停止。滑ってる間怖かった。抱きついた木に枝でもあったら突き刺さっていたところだったし、リーシュで繋がれたピッケルも…。。。
そこそこの衝撃受けたが、どこも怪我もなくて助かった。あとでGPS見たがありえない直線で改めて怖くなった。それからはダガーポジションを取り厚さを確認し雪渓を繋ぎ繋ぎ慎重にクライムダウンし無事に百曲がりを終える。
ここからまだまだ落石の多いガレ場や橋の板も手すりもないところを通るので気が抜けない。残雪期は全行程で気が抜けない手強い山行だった。もうガッキーちっとも可愛くない。
昨日は無かった橋の手すりも板までも付いている。小屋オープン間近だろうか、昨日午後にでも関係者が掛けて行ったんだろう。手すりと板にお礼を言い鼻歌交じりで通過する。次は小屋開け後の可愛いガッキーに行ってみたい。それでも周りの山より絶対人が少ないだろう。
車に戻るとなぜかワイパーにココヘリがぶら下がってた。登山道か車の近くに落ちていたものを橋の整備の関係者が掛けて行ったのだろうか。自分のものかと思ったがナンバーが違ってた。シャクナゲの湯へ寄ってから穂高交番に届けておいた。


The narrow trail to peak.

solo trekking camp

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